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    愛の妙薬、G.ドニゼッティ

    愛の妙薬、G.ドニゼッティ

    ダニエル・フランソワ・エスプリ・オベール・のオペラ「Le philtre」(1831年)のウジェーヌ・スクリーブによる台本をもとに、ガエターノ・ドニゼッティが音楽を、フェリーチェ・ロマーニがイタリア語の台本を担当した2幕の喜歌劇です。

    今回コスタンツィ劇場(ローマ歌劇場)で上演される「愛の妙薬」は、1832年5月12日にミラノのカノッビアーナ劇場で初演され、大好評でした。ドニゼッティにとって、オペラ・ブッファというジャンルでの最初の大きな成功でした。

    「愛の妙薬」はわずか2週間で作曲されましたが、常に変わらぬ成功を収め、今日、ドニゼッティのオペラの中で最も頻繁に上演されている作品の一つになっています。この作品中の有名なアリア「Una furtiva lacrima 人知れぬ涙」は、世界の偉大なテノール(エンリーコ・カルーソ、マリオ・ランゾ、ルチャーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホワン・ディエゴ・フローレスら)により演奏されてきました。このオペラは、特にこうしたアリアが声音の美しさを第一とし、歌手のテクニックと巧みさでメロディーの美しさを引き出すイタリアのベルカントの伝統の中で際立っています。実際に、メロディーは、民間の音楽に由来する素朴なものですが、初演当時から人々を楽しませてきました。また、無垢な村人、気まぐれな金持ち女、ずる賢いセールスマン、うぬぼれ屋の御曹司といった個性がはっきりしたさまざまな登場人物もエンターテイメントの要素が強いものでした。

    物語は、19世紀初頭のイタリアの村を舞台に、金持ちのアディーナに恋する内気で無邪気な農民ネモリーノを中心に繰り広げられます。ネモリーノはアディーナの心をとらえるため、「愛の妙薬」を使おうとしますが、実際には偽物の妙薬でした。




    image Silvia Lelli / Teatro dell'Opera di Roma