ローマの町で聖歌を

魂が肉体を超越するものであるという概念が、このショーの音楽・美術の中心テーマである。このショーは、ローマで最も興味をそそられる場所のひとつ、カプチン修道士地下聖堂博物館で行われる。カプチン修道士地下聖堂博物館は、ヴェネト通りのサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会内にある。
他に類を見ないこのショーは、マルチメディアのカプチン修道士博物館のガイドツアー(英語)と、有名なカプチン修道会の地下聖堂でのグレゴリア聖歌、ルネッサンス及びバロック音楽のコンサートの2部から成る。
この博物館を有する教会は、1626年ウルバヌス8世の命で、教皇お抱えの建築家ミケーレ・ダ・ベルガモによって設計された。教皇は、弟のアントニオ・バルベリーニに敬意を表し、教会をバルベリーニ宮の近くに建てたいと考えたのである。このアントニオ・バルベリーニはカプチン修道会に属し、その墓は教会の主祭壇の正面にある。地下聖堂は、教会の隣に位置し、16世紀から19世紀までにローマで亡くなった約4000人のカプチン修道士の骨で飾られている他、修道士のミイラも何体か納められている。これだけでは異様に聞こえるかもしれないが、実際のその場所に行くと、あたりは希望と平和の雰囲気が満ちている。
国際的に有名なSchola Romana Ensembleが、カトリック聖歌の集大成、システィーナ礼拝堂のレパートリーから素晴らしい音楽を披露し、音楽とスピリチュアルを組み合わせ、グレゴリア聖歌とローマ楽派の曲を交互に演奏する。アンサンブル(ソプラノ、アルト、テノール、バス)が演奏する、グレゴリア聖歌と、ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ、ジャック・アルカデルト、クリストバル・デ・モラーレス、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア、アゴスティーノ・アガッツァーリ、ジュゼッペ・オッタヴィオ・ピトーニといったルネッサンス期やバロック期の作曲家の作品をお楽しみいただきたい。
ローマの中心部で思いもかけないユニークな経験となることであろう。
プログラム:
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グレゴリオ聖歌
- キリエ 憐みの賛歌 (Missa de Angelis)
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ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ
- キリエ 憐みの賛歌 (Missa brevis)
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ジャック・アルカデルト
- アヴェ・マリア
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クリストバル・デ・モラーレス
- Peccantem me
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ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ
- Sicut cervus
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トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア
- Pueri hebraeorum ヘブライの子らは
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アゴスティーノ・アガッツァーリ
- Benedicta sit
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ジュゼッペ・オッタヴィオ・ピトーニ
- Laudate Dominum