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ドン・キホーテ、L.ミンクス

ドン・キホーテ、L.ミンクス

レオン・ミンクスの「ドン・キホーテ」が、今回、ローマにおいて、ローラン・イレールのバージョンで公演されることには、バレエ界の巡り合わせといったものが感じられます。イレールは、2017年初頭に、モスクワ・ストラヴィンスキー・バレエ団の芸術監督に就任しました。フランス人としてこうした地位に就いたのは、ロシア・バレエ団を率いた、かの有名なマリウス・プティパに次いで二人目です。そして、1869年12月、モスクワ・ボルショイ帝国劇場で、ミンクスの「ドン・キホーテ」が初演された際、振付を担当したのはプティパでした。

17世紀初期のミゲル・デ・セルバンテスの小説に書かれたエピソードに基づくこの「ドン・キホーテ」には、アレクサンドル・ゴルスキー、ミハイル・バリシニコフ、そしてとりわけルドルフ・ヌレエフら、バレエ界の巨匠の多くが、関心を寄せました。イレールの「ドン・キホーテ」は、バリシニコフのアメリカン・バレエ・シアターのための振付の影響が強いかもしれませんが、ヌレエフに捧げられています。イレールは、パリ・オペラ座での「白鳥の湖」の素晴らしい演技をヌレエフに認められ、スジェから一気にエトワールに任命されたのでした。

このバレエは、小説同様、ユーモアに満ち溢れています。騎士道物語で頭がいっぱいのドン・キホーテは、現実の世界と読んでいる物語の区別がつかなくなっています。彼は、キトリという名の女性が、愛するドゥルシネーアだと思い込んでいます。ラ・マンチャの騎士と名乗るドン・キホーテと踊った後、キトリは恋人バジリオと駆け落ちをしますが、二人の関係に反対の父親ロレンソと、父親が決めたいいなずけガマーシュに、追われることに。キホーテとその忠実な従者サンチョ・パンサは、この追跡に加わります。

もちろん、この騎士ことドン・キホーテは、現実の世界が見えていません。人形劇の主人公を、またドゥルシネーアと間違え、芝居をむちゃくちゃにしてしまいます。また、もとの小説の有名なエピソードにもあるように、風車が略奪を働く巨人だと思い込み、風車に決闘を挑みます。結局、正気にもどった彼は、キトリとバジリオが、ロレンソとガマーシュに見つからないよう全力を尽くしてやるのでした。

最後に二人はロレンソに見つかってしまいます。そこで、バジリオは自殺したふりをし、だまされたロレンソは、最後の願いをかなえてやろうと、娘との結婚を許します。バジリオは、奇跡的に回復し、婚礼の宴(もちろん、ここでは踊りがたくさん披露されます)が行われます。その後、ドンキホーテとサンチョ・パンサは、さらなる冒険の旅へと発っていくのでした。

イレールは、バレエ団の踊り手が、その技術ぎりぎりのところまで踊ることによってのみ、偉大な芸術が達成できると考えていました。ローマ・オペラ座コスタンツィ劇場の今シーズンの「ドン・キホーテ」は、愉快で活気に満ちたものに違いないでしょうが、イレールのこの言葉を考えてみると、最も野心的なバレエでもあるのです。




image ローマオペラ座 / Silvia Lelli / Teatro dell'Opera di Roma